書評 もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの マネジメント を読んだら 表紙

あの特徴的な表紙を見て印象に残っていた方もいらっしゃることでしょう。自分もようやく手に入れて読み終えました。

実はこの本の大元であるドラッカーの「マネジメント」は読んだことがなかったのですが、そのエッセンスが要所要所に取り入れられており、読み終わって少しだけ「マネジメント」のなんたるかということがわかった気がしました。

また、前評判では「泣ける」とか「感動で涙が」といったようなことが書かれて期待してたのですが私は泣きませんでした(笑)しかし、物語的にも、「マネジメント」のことを理解するという面からも無理なく読み進めることができたとても良い本だったと思います。実際私は読むのに2時間もかかりませんでした。


内容(amazonより引用)

敏腕マネージャーと野球部の仲間たちが甲子園を目指して奮闘する青春小説。高校野球の女子マネージャーのみなみちゃんは、マネージャーの仕事のために、ドラッカーの『マネジメント』を間違って買ってしまいます。はじめは難しくて後悔するのですが、しだいに野球部のマネジメントにも生かせることに気付きます。これまでのドラッカー読者だけでなく、高校生や大学生、そして若手ビジネスパーソンなど多くの人に読んでほしい一冊。

目次(本書より引用)

  • プロローグ
  • 第一章 みなみは『マネジメント』と出会った
  • 第二章 みなみは野球部のマネジメントに取り組んだ
  • 第三章 みなみはマーケティングに取り組んだ
  • 第四章 みなみは専門家の通訳になろうとした
  • 第五章 みなみは人の強みを生かそうとした
  • 第六章 みなみはイノベーションに取り組んだ
  • 第七章 みなみは人事の問題に取り組んだ
  • 第八章 みなみは真摯さとは何かを考えた
  • エピローグ
  • あとがき
  • 読後記

    まず最初に気になったのは「人を生かす」という記述。

    「人を”活”かす」でなく「人を”生”かす」。

    経営学やマネジメントで通常用いられるのは「”活”かす」方だと今まで思っていたので、最初は漢字の間違いじゃないかと思ったぐらいなのですが、どうやら違ったみたい。
    読みはじめたばかりはそのことに違和感を感じつつ読み進めていたのですが、読了後には「生かす」ということにも納得となりました。

    「人を生かす」ということ

    それは組織に所属する人間一人一人の個性を尊重し、一人一人が最大限の力を発揮する為の環境をつくること。
    一人一人がその組織に所属するすることによって幸福になること。

    すなわち「生きる」こと。

    なんだか哲学的な感じにw
    ですが、それがドラッカーの説く「マネジメント」なのだと私は解釈しました。それにドラッカーが人気なのもこういう哲学的な要素もあるからなのでは?とも思いました。

    この本ではこのマネジメントのさわりを理解できただけでも十分読む価値があったと思いましたが、物語はなかなかにツッコミどころのある良書でした。

    物語の中でちょっとこれはないやろ・・・とツッコミを入れたくなった箇所を3つ挙げますw

    ツッコミ1

    ひとつめは「第六章 みなみはイノベーションに取り組んだ」にて野球が全く上手くない二階正義君が野球の技術ではなく、マネジメントの功績が認められキャプテンになる場面。

    高校野球の選手ではなく、組織(ここでは野球部)の発展に貢献したということ。それに組織が正当な評価をもって応えるということを示した場面ですが、少々強引すぎじゃない?
    これが実社会の企業ならばまだわかります。企業の改革を推進し、その改革によって成果を挙げた最大の功労者を評価すること。これは当たり前です。

    だけど、物語は高校野球ですよ?はっきり言って完全に実力がものを言う世界。
    そんな中で部内で一番野球が下手な人間がレギュラー入りできるだろうか?どう考えてもこの部分に関しては強引に物語を当てはめた感がしてならない。

    ツッコミ2

    次に、「第八章 みなみは真摯さとは何かを考えた」で星出純君が野球部のノーバント作戦を無視したセーフティーバントをする場面。

    程高野球部の基本方針「ノーバント、ノーボール作戦」を完全に無視してバントをしたにも関わらず誰も責めない。誰も疑問に思わない。そもそもの「ノーバント、ノーボール作戦」の狙いとして小さい野球をしないということで星出純君のプレーがそれに反していないことはわかる。だけど突然に基本方針を破って勝手なプレーをしたところに何のフォローもないのは引っかかる。

    これじゃ成果を出せば何でもOKみたいになって、組織としてのまとまりがなくなると思うんだけど。

    ツッコミ3

    最後になったけどこれが一番大きな疑問。そして一番許せない部分。

    「第六章 みなみはイノベーションに取り組んだ」にある

    初めは週に一度だった家庭科部による料理の試食会は、今では毎日のように行われるようになった。

    ・・・うらやましすぎるでしょコレ(笑)

    総括

    内容的にも色々と考えさせられるし、物語も面白い(ツッコミするところが多くてw)ので表紙で買うのをためらってた方いらっしゃったら、その恥ずかしさをちょっと抑えて買って読んでみることをオススメしますよ。

    ↓iPhoneアプリもあります。

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    ※こちらの記事は前ブログを2011年6月16日と2013年1月17日に加筆修正したものです。

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